● 2009年2月 過労自殺で高額賠償(北海道釧路地裁)
北海道のO農業協同組合に勤務していた男性(当時33歳)が過労が原因でうつ病になり自殺したのは、農協側が安全配慮義務を怠ったためとして、遺族が約1億4000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、釧路地裁帯広支部は、農協に約1億円の支払いを命じました。
判決理由では、農協側が争点としていた自殺の予見可能性を「精神面の変調や自殺について予見できなかったとはいえない」と断定。その上で「労働時間を適正に抑え、精神科への受診を勧奨するなどの措置を取っていれば防止できた」と農協側の過失を全面的に認めました。
判決によると、男性は組合員の農作物を販売する青果課に勤務していたが、前任の係長が2004年6月に病気で休職したことなどで担当業務が増大。2005年4月の人事異動で係長に昇進した後も、上司から叱責を受けるなどしてうつ病の症状を訴え、同年5月に農協の倉庫で自殺した。
帯広労働基準監督署は2006年12月、業務上災害を認定していました。
原告側弁護士は判決後の記者会見で「遺族の思いが完全に反映された良識的な判決だ」と評価。賠償額が高額となった理由を「慰謝料が大きく認められた」と説明。
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